SNSで見かけた驚くような話を、つい家族に「ねえ、これ知ってた?」と共有してしまった――そんな経験はないでしょうか。実はその情報、後から誤りだったと分かることが少なくありません。そしてこれは、子供だけの話ではなく、大人自身の話でもあります。
背景説明
総務省が2026年5月に公表した「ICTリテラシー実態調査」(全国の15歳以上2,820人が対象)によると、偽・誤情報(意図的に作られた誤りの情報と、意図せず広まった誤りの情報の総称)を見聞きした人のうち、47.7%が「正しい情報だと思う」「おそらく正しい情報だと思う」と回答しました。さらに、25.5%は真偽を確かめないまま何らかの方法で拡散した経験があると答えています。この調査は子供に限定したものではなく、大人を含む一般の生活者が対象です。つまり、大人でさえ半数近くが偽・誤情報を見抜けていない、というのが実態です。
47.7%
偽・誤情報を見聞きした人のうち「正しい情報だと思う」「おそらく正しい情報だと思う」と回答した割合。総務省「ICTリテラシー実態調査」(令和7年5月13日公表)。
子供の目線では
子供にとって、SNSやまとめサイトで流れてくる情報は「友達から回ってきた話」「みんなが話題にしていること」として受け取られがちです。情報の出どころを確認する、という発想そのものが身についていない年齢ではなおさらです。大人でさえ半数近くが見抜けないという現実を踏まえれば、子供が同じように、あるいはそれ以上にだまされやすいのは当然のことだと言えます。それは子供の「注意不足」というより、誰にとっても難しいことだからです。
構造・メカニズムの解説
今回の調査で興味深いのは、人がどうやって偽・誤情報に「気づいた」かの内訳です。つまり、間違いに気づくきっかけの多くは、SNSの外側にある別の情報源との突き合わせだということです。SNSの中だけで完結して情報を見ていると、誤りに気づく機会そのものが少なくなってしまう可能性があります。
偽・誤情報に気づいたきっかけ:「テレビ・新聞(ネット版含む)」39.6%、「テレビ・新聞以外のマスメディア」30.4%、「ネットニュース」28.8%
出典:総務省「ICTリテラシー実態調査」(令和7年5月13日公表)
データが示すギャップ
同じ調査では、87.8%が「ICTリテラシーは重要」と回答した一方、75.3%が「ICTリテラシー教育が十分でない」と感じていることも分かりました。重要性は多くの人が認識しているのに、実際に学ぶ機会が追いついていない、という大きなギャップがあるわけです。これは学校教育だけの問題ではなく、家庭でも「情報の確かめ方」を話す機会がまだ少ないことの表れかもしれません。
まとめ
結局のところ、子供に「だまされないように」と教える前に、いちばん確かめたいのは、私たち大人自身のことなのかもしれません。「正しいと思った」が47.7%——これは、大人を含めた数字です。
もし一つだけ家族で試せることがあるとすれば、シンプルです。子供にも「”すごい!”と思った話ほど、一回だけ立ち止まって、”これ、他のところでも同じこと言ってる?”って確かめてみようか」と声をかけてみる。今回の調査でも、誤りに気づくきっかけの多くは、テレビや新聞など”別の情報源との突き合わせ”でした。
そのうえで、子供に問う前に、自分にも問いかけてみる。「この前”本当?”と思ったあの話、私はちゃんと一回、立ち止まれただろうか?」——その問いを親子で分け合えたら、見分け方のどんなテクニックよりも、きっと長く効いてくれます。
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