「今どこ?」「もうすぐ着く?」——夏祭りや花火大会の待ち合わせで、こんなやり取りをした経験は多いのではないでしょうか。今の子供たちの間では、こうしたやり取りをメッセージの代わりに、「whoo(フー)」のような位置情報共有アプリで済ませることが増えています。地図の上に友達の居場所がリアルタイムで表示される仕組みは便利な一方、「誰にどこまで見えているのか」を家庭でも知っておきたいところです。どんな仕組みで、どこに気をつければいいのか。一度整理しておくと、頭ごなしに止めるのでも放っておくのでもない、その間の向き合い方が見えてきます。
位置情報共有アプリって、どんなもの?
LINEにも、地図上の場所を選んで送る「位置情報を送信する」機能があります。これは自分から能動的に送信操作をしない限り、相手に位置情報が伝わることはない仕組みです。
一方、中高生の間で人気の「whoo(フー)」のようなアプリは、これとは性格が異なります。友達として登録した相手同士で、スマートフォンのGPSが取得した現在地をリアルタイムに地図上へ表示し合う仕組みで、アプリ内でメッセージやスタンプのやり取りもできます。LINEの位置情報機能が「その都度、自分で送る」ものだとすれば、こうしたアプリは「常につながっている」感覚に近いものです。
子供の目線では
友達が今どこにいるかがすぐわかると、待ち合わせの行き違いがなくなり、「もうすぐ着くよ」「先に着いたから待ってて」といったやり取りも要らなくなります。友達とゆるやかにつながっている安心感を得られる、という声も少なくないようです。子供にとっては、単なる位置情報の共有というより、友達関係そのものの一部になっている面もあるのかもしれません。
位置情報共有アプリの危険性は、どこにある?
共有相手が、想定より広がってしまうことがある
友達申請を安易に承認してしまうと、面識の薄い相手にまで居場所が伝わってしまう可能性があります。位置情報は、行動パターンまで読み取れてしまう個人情報です。悪用されれば、自宅や行動範囲を特定されるリスクにもつながります。
警察庁によると、令和7年12月30日からストーカー規制法が改正され、紛失防止タグなどを使って本人の承諾なく位置情報を取得する行為も、規制の対象行為に追加されました。位置情報の取り扱いそのものが、社会的にも注意すべきテーマとして扱われるようになってきているということです。
「常に見られている」感覚を、気持ち悪いと感じることも
友達との関係でも、四六時中居場所を把握される状態は、人によっては窮屈に感じられることもあります。仲がいいからこそ、「今どこにいるか聞かれる前提」でいることが、負担になる場面もあるかもしれません。
安心して使うための3つの工夫
共有する相手を、信頼できる友達だけに絞る
誰と友達登録するかを子供と一緒に確認しておくと安心です。
常時共有ではなく、必要な時だけにする
whooには、位置をぼかして表示する「あいまいモード」や、過去の位置で表示を止める「フリーズモード」といった、相手ごとに設定できる機能もあります。四六時中共有し続けなくてもよい、という選択肢があることを知っておくとよいでしょう。
困ったことがあったら、まず家族に話す約束をしておく
知らない人からの友達申請や、居心地の悪さを感じたときにすぐ相談できる関係を、事前に作っておくことが一番の備えになります。
夏休みに写真をSNSに投稿する際の位置情報への配慮については、夏休みの子供の写真、SNSにどこまで載せていい?でも取り上げています。あわせて参考にしてみてください。
親に知ってほしいこと
位置情報共有アプリは、禁止すべきものというより「常時共有」を前提にせず、相手・場面・設定を選んで使う道具として捉えるのが現実的です。
子供から伝えたいこと
お子さんの中には、こんなふうに感じている子もいます。「whooで友達とつながるの楽しいけど、知らない人から申請来た時、断ったら感じ悪いかなって思って、実はよくわからないまま承認しちゃうことがある」
親子で話してみたいこと
- 位置情報共有アプリ、今どんな相手と使ってる?
- 「今どこにいるか知られたくないな」と思う場面って、どんな時?
ちょうどいいところを考えるなら
ITmedia Mobileなどの解説でも指摘されているように、家族や本当に信頼できる友達にしか共有しない、不要な時間帯はオフにする、といった基本を押さえたうえで、whooの「あいまいモード」のような”ゆるめる”機能を組み合わせて使っている家庭もあるようです。全面的に許可するか禁止するかの二択ではなく、共有相手と場面を絞るところから始めてみるのも一つの形です。
関連する用語
- whoo(フー) — 友達同士でリアルタイムの現在地を共有し合う位置情報共有アプリ。


コメント