子供のゲーム課金、学年別の相場は?「気づけば高額」を防ぐには

子供のゲーム課金、学年別の相場は?「気づけば高額」を防ぐには

クレジットカードの明細に、身に覚えのない数千円、ときには数万円の請求——。「まさか、うちの子が?」と血の気が引いた経験、あるいはその不安をぼんやり抱えている方は、少なくないのではないでしょうか。オンラインゲームの課金は、気づかないうちに積み上がりやすいお金です。実際にどれくらいの額が動いていて、なぜ高額になりやすいのか、一緒に整理してみます。

目次

学年が上がるほど、金額も上がっていく

約10.6万円

小学生の相談時点での平均既支出額。国民生活センター(2023年度)。中学生は約19.3万円、高校生は約22.6万円と、学年とともに高額化する。

子供のゲーム課金をめぐる相談は、想像以上に多く寄せられています。全国の消費生活センターに集まる相談情報(PIO-NET=全国消費生活情報ネットワーク・システム)をまとめる国民生活センターによれば、2023年度、小学生からの相談の約8割、中学生の約5割が、オンラインゲームに関するものでした。

気になるのは金額です。相談時点での平均支出額は、小学生で約10万6千円、中学生で約19万3千円、高校生で約22万6千円。学年が上がるにつれて、動くお金も大きくなっていきます。「子供のことだから、せいぜい数千円くらい」という感覚とは、かなり開きがあるかもしれません。

子供の目線では

子供にとって、ゲームの中の課金は「お金を使っている」という実感が持ちにくいものです。現実の硬貨や紙幣が財布から減るわけではなく、画面をタップすれば、ほしかったキャラクターやアイテムがすぐ手に入る。しかも多くのゲームは「無料」で始められ、課金は遊びの延長線上に自然に組み込まれています。友達が強いキャラクターを持っていれば、「自分も」と思うのも自然なことです。大人が「そんなにお金を使って」と感じる場面も、子供からすれば「みんなやっていること」「ちょっと課金しただけ」という感覚に近いのかもしれません。金額の大きさより、「その一回」が積み重なっていく仕組みに、子供はなかなか気づけないのです。

なぜ、そこまで高額になりやすいのか

高額化の裏には、いくつかの仕組みが重なっています。

  • 親のスマホやアカウントにクレジットカードが登録されていると、パスワードなしで購入できてしまう場合がある
  • 「ガチャ」(お金を払って、くじのようにランダムでアイテムを得る仕組み)は、ほしいものが出るまで繰り返しやすい
  • 「無料」で始まるぶん、課金への心理的なハードルが下がっている

国民生活センターには、就学前の子供が親のスマホで課金し、後日クレジットカードの明細で発覚した、といった事例も寄せられています。これは「うちの子に限って」の話ではなく、仕組みのうえで、どの家庭でも起こりうることなのです。

金額を責める前に、できること

高額な請求を見たとき、つい「何に使ったの!」と叱りたくなります。でも、子供自身も「そんなに使ったつもりはなかった」と戸惑っていることが少なくありません。責める前に、まず仕組みの側を整えるほうが、次を防ぎやすいようです。決済にパスワードをかける、購入できる金額に上限を設ける、といった設定は、多くの端末やゲームに用意されています。

まとめ

親に知ってほしいこと

子供のゲーム課金は学年とともに高額化し、平均で小学生でも10万円台という相談が寄せられています。「うちの子に限って」ではなく、仕組み上どの家庭でも起こりうること。金額を責めるより、端末を渡す前の設定と、ふだんの会話のほうが効きます。

子供から伝えたいこと

お子さんの中には、こんなふうに感じている子もいます。

「ガチャ、当たるまでやめられなくなる時があるけど、正直そのとき自分でもいくら使ったか分かってない。もし今の金額を知ったら、めちゃくちゃ怒られる気がして、言い出せずにいる」

親子で話してみたいこと

  • ゲームの中で、今いちばんほしいものは何?それは、どうしても今すぐ必要?
  • もし1か月に使えるお金を決めるとしたら、いくらくらいがいいと思う?
  • 友達はゲームにお金を使っている?それについて、どう感じる?

ちょうどいいところを考えるなら

国民生活センターは、決済時のパスワード設定や、端末・ゲーム側の購入制限機能を活用するよう呼びかけています。「全面禁止」か「使い放題」の二択ではなく、たとえば1か月の上限額を親子で決める、ガチャは誕生日など特別なときだけにする、というように、金額と機会に区切りを設けている家庭もあるようです。もし高額な課金がすでに起きてしまった場合は、消費者ホットライン「188(いやや!)」という相談窓口もあります。未成年の子供が保護者の同意なく結んだ契約は、民法上の「未成年者取消権」で取り消せる場合があります。相談する際は、利用明細など課金の経緯がわかる資料を用意しておくと手続きがスムーズです。まず仕組みで防ぎ、起きたときの相談先も知っておく——その両輪で構えておくと、いざというときに慌てずにすむかもしれません。

さいちん

編集・執筆

二児の父。コンサルティングファーム勤務。「ほしい情報が見つからないなら、自分で調べて発信しよう」と本メディアを始めました。

X(旧Twitter): @saichin_biz

関連する用語

  • PIO-NET — 全国の消費生活相談を集める国民生活センターのデータベース。
  • ガチャ — 料金を払い、くじのようにランダムでアイテムを得る仕組み。
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