「うちの子、気づけばスマホばかり…」。そう感じて、日本の子供は世界的にも使いすぎなのでは、と不安になることはないでしょうか。ところが国際的なデータを見ると、日本の子供の“デジタル漬け”の度合いは、思っているほど極端ではないようです。安心材料として、そして「時間が少なければ安心」という早合点への注意として、一緒に見ていきます。
世界の子供は、どれくらいデジタル機器に触れているのか
まず前提として、機器に「触れられる」環境は、いまや世界のほとんどの子供に共通しています。OECDが各国の15歳を調べた報告書「How’s Life for Children in the Digital Age?」によれば、OECD平均で96%がパソコンやタブレットに、98%がスマートフォンにアクセスできる環境にあります。ほぼすべての国で、15歳の半数以上が週30時間以上、デジタル機器を使っています。触れること自体は、もはや当たり前の時代になっているわけです。
「使いすぎ」の割合には、国ごとに大きな差がある
差がはっきり出るのは、「使いすぎ」と言えるほど長時間使う子供の割合です。週60時間以上をデジタル機器に費やす子供の割合は、国によって大きく開きます。
日本
週60時間以上デジタル機器を使う15歳は約10%。国際的にはむしろ少ないグループ。
海外(例:ラトビア)
同じ「週60時間以上」が約43%。国によって、ここまで開きがある。
日本は、国際的に見るとむしろ利用時間が短いグループに入る、というのがOECDの示す姿です。
子供の目線では
「少ない」という数字を、子供自身が意識しているわけではありません。子供にとってスマホやゲームは、友達とつながり、好きな世界に没頭できる、生活の一部です。親が「世界的に見れば短いほう」と聞いても、目の前の子にとっては「もっとやりたいのに止められる」という体験に変わりはありません。だからこの数字は、子供を安心して放っておく理由にするより、「日本の家庭は、案外うまく折り合いをつけてきたのかも」と、親の側が肩の力を抜くための材料として受け止めるのがよさそうです。
時間が少なければ安心、とは言い切れない
ただし、注意したい点もあります。同じ報告書は、2017〜18年と比べて2021〜22年に、11歳・13歳・15歳でネットいじめを経験した子供の割合が上がったことにも触れています。利用時間の長さと、いじめのような“中身”のリスクは、別の軸の話です。「日本は時間が短いから大丈夫」と時間だけで安心してしまうと、見落としが生まれます。時間の量と、何が起きているかの質は、分けて見ておきたいところです。
まとめ
世界のデータをのぞいてみて、日本の我が家に持ち帰れるものは何でしょうか。
一つは、少し肩の力を抜いていい、ということです。日本の子供のデジタル時間は、国際的に見ればむしろ短いほう(週60時間以上はラトビアの43%に対し日本は10%ほど)。「うちの子はスマホ漬けかも」という不安は、世界と比べると、思うほど極端ではないのかもしれません。
もう一つは、だからこそ時間“だけ”で安心しない、ということ。同じ調査は、ネットいじめを経験した子供の割合が近年上がったことにも触れています。時間の量と、そこで何が起きているかの質は、別の軸の話です。持ち帰るとすれば、「時間はゆるやかな目安にとどめ、”嫌なことがあったら話せる”関係のほうに重心を置く」——そんな構えです。
子供にも、「使う時間の長さより、楽しいことや、もし嫌な気持ちになったことがあれば、それを教えてほしい」と伝えられたら、数字の比較よりずっと大切なものが渡せるはずです。
関連する用語
- スクリーンタイム — 利用時間を記録・制限できる端末の標準機能。


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