夏休みは、子供だけで友達の家に遊びに行ったり、塾やプールに一人で通ったりと、「子供だけの外出」が増える時期です。「今どこにいるだろう」と気になってしまうものです。
ただ、居場所がわかる道具がほしいわけでも、四六時中の把握がしたいわけでもありません。心配なのは本当なのに、どこまでやると行きすぎなのか、その線が自分でもよくわからない——見守りの手段を調べ始めると、たいてい先にこちらで手が止まります。
まず今ある端末で何ができるかから確かめていくと、うちに要るものと要らないものが見えてきます。その手がかりを並べてみます。
子供の目線では
塾の帰りに友達と自販機の前で少し話し込んだ日。家に着いて最初に聞かれるのが「なんで今日は遅かったの」だったら、次からは寄り道そのものより、寄り道が記録に残ることのほうが気になり始めます。充電を切らした日に「わざと切ったんじゃないの」と思われないか、先に言い訳を考えてしまう子もいます。
一方で、「何かあったらすぐ連絡できる」「迷ったときに助けを呼べる」という安心感は、親のためだけのものではありません。持たされている本人が、それを自分の安心として感じられているかどうか。同じ端末でも、そこが分かれ目になります。
見守りの選択肢にはどんなものがある?
大きく分けると3つの方向があります。費用のかかり方がそれぞれ違うので、あわせて見ていきます。
1つめは、キッズケータイのように、連絡も位置確認もできる端末です。NTTドコモの「イマドコサーチ」のように、キッズケータイにGPSオプションを付ける形が代表的です。基本使用料とは別にオプション契約が必要なサービスもあり、電源がオフになった際に自動で位置を検索してくれる機能を備えたサービスもあります。この方向の延長で、Hamee株式会社の「Hamic」のように、見守り機能を組み込んだ子供向けの端末をキャリア契約とは別に単体で使えるサービスもあります。
2つめは、通話機能のない、居場所を知ることに絞った専用のGPS端末です。ソフトバンクの「みまもりGPS」のように、キャリアを問わず使えるものもあります。連絡を取り合う機能はありませんが、そのぶん構成がシンプルです。みまもりGPSは本体5,280円、月額プランは初月無料で2か月目以降が528円です。位置検索をはじめどの機能を使っても追加費用はかからないと公式サイトが説明しています(2026-08-13時点)。料金や契約条件は各社で違うので、ほかを選ぶときは公式サイトで確かめてみてください。
3つめは、すでに持っているスマホの機能を活用する方法です。iPhoneなら、Appleの「ファミリー共有」という仕組みがあります。位置情報の共有を設定すると、「探す」アプリで家族の居場所を確認できます。始めるには家族の成人1人が「ファミリー管理者」になってメンバーを招待する必要があり、13歳未満の子供のApple Accountも保護者が作れるようになっています(年齢の区切りは国や地域によって異なります)。
Androidなら、Googleの「ファミリー リンク」というアプリがあります。子供の端末の位置を確認できます。始めるには保護者と子供それぞれのGoogleアカウントとアプリのインストールが必要で、13歳未満の子供用アカウントも保護者が作れるようになっています。
どちらにも、子供と決めておいた場所への「到着」「出発」を知らせる通知の設定があります。ただこれは、こちらが見に行かなくても届き続けるもので、さきほどの「寄り道が記録に残る」という感覚にいちばん近い機能でもあります。使うかどうかは、子供と決めておきたいところです。
どちらも、新しく専用の端末を買い足さずに始められるのが、この方向の利点です。
なお、友達同士で使う位置情報共有アプリについては、友達との位置情報共有アプリ、安全に使うには?でも取り上げています。あちらは友達との交流が目的、こちらは親が子を見守る目的、と役割が異なりますので、あわせて参考にしてみてください。
選ぶときの3つのポイント
まず、今ある端末でできることから確かめる
すでにスマホを持たせているなら、ファミリー共有やファミリー リンクは端末を買い足さずに試せます。ここで足りるなら、新しく用意するものはありません。足りないと分かってから、専用の端末や有料のオプションを見ても遅くありません。そのときも、連絡まで必要か、居場所だけで足りるかで候補は変わります。居場所だけでよければ、通話機能のない専用のGPS端末という道があります。
電源が切れた時や電波が届かない時、どうなるかを確認しておく
ここは手段によって条件が違うところです。キャリアのオプションには、電源がオフになった際に自動で位置を検索する機能を備えたものもあります。今ある端末の標準機能では、Android側は端末の電源が入っていない時やインターネットにつながっていない時は位置情報を確認できないと公式ヘルプが明記しており、iPhone側は対応する機種なら電源を切ったあとも一定時間は探せるほか、電池が切れる直前の位置が最大24時間残る設定もあります。うちの端末がどれに当たるかは、設定画面を一度開けば確かめられます。ただし、位置がわかること自体が安全を保証するわけではありません。電池が切れる日も、置き忘れる日もあります。機械で埋まらない部分は、「困ったときはどこで待つか」を子供と決めておくほうが確実です。
見守りの理由を、子供にも伝えておく
「勝手に見張られている」ではなく「何かあったときのためのお守り」だと伝えたうえで、嫌だと言われたら、どこまでなら納得できるかを一緒に決め直す。押し切らずに往復できると、その後も続けやすくなります。
親に知ってほしいこと
見守りの手段は、今ある端末の設定だけで始められるものから、専用のGPS端末、キッズケータイのオプションまで幅があります。「今すでに持っている端末で何ができるか」から確認すると、買い足さずに済む範囲がはっきりします。
子供から伝えたいこと
お子さんの中には、こんなふうに感じている子もいます。「GPS持たされるの、監視されてるみたいでちょっと嫌な気もするけど、それより友達にGPS持ってるの知られたら、赤ちゃん扱いされてるみたいで恥ずかしいのが一番気になる」
親子で話してみたいこと
- 一人で出かけるとき、どんな時に連絡してほしい?
- 持っていること、友達に知られるのは平気? どんな形なら気にならない?
- 予定と違う場所に行きたくなったとき、どう伝えてくれると安心できる?
ちょうどいいところを考えるなら
まず今ある端末で足りるかを確かめ、足りない分だけを足す。位置がわかることで埋まらない部分は、子供と決めた約束のほうで埋める——そんな順序で考えている家庭もあります。
一人で出かける自由も、友達と対等でいたい気持ちも、子供の側の当然の望みです。そこを削らずに済む範囲を先に決めておくと、道具を選ぶ話は、たぶんそのあとについてきます。
関連する用語
- キッズケータイ — 機能限定スマートフォン/子供向けスマートフォンの一種。通話・GPS機能を中心とした子供向け端末。
訂正(2026-08-14): 「Hamic」を「見守り機能に特化した専用のキッズケータイ」と説明していましたが、実際にはアプリを許可制で追加できる子供向けスマートフォンです。該当箇所を訂正しました。あわせて、見守りの選択肢の分類を2つから3つに整理し直し、各サービスの料金・対応状況・電源が切れた場合の挙動を、各社の公式情報にもとづいて見直しています。


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