【26年7月27日週】今週のニュース(米「子どもネット安全法案」下院通過も上院で攻防/AIチャットボット新法案が超党派提出)

【26年7月27日週】今週のニュース(米「子どもネット安全法案」下院通過も上院で攻防/AIチャットボット新法案が超党派提出)

「SNSで子供を守るための法律」と聞くと、賛成一色に思えるかもしれません。でも実際には中身をめぐって賛否が分かれ、可決後も攻防が続いています。今週はアメリカで動いたこのニュースと、もう一歩踏み込んで「AIとの会話」に絞った新法案の動きをお届けします。

目次

「子どもネット安全法案」、何が賛否を分けている?

米国下院は2026年6月、14本の子どもオンライン安全法案をまとめた「子どもネット・デジタル安全法(KIDS Act)」を267対117の賛成多数で可決しました(共和党162対32・民主党104対85の超党派)。未成年ユーザーの年齢確認やターゲティング広告の禁止、AIチャットボットへの規制などが盛り込まれています。

賛成派は「子供を守る重要な一区切りだ」(共同提出者Brett Guthrie下院議員)と評価する一方、Electronic Frontier Foundation(EFF)は「法的リスクが高まればプラットフォームはより多くの言論を削除するようになる」と、年齢確認がプライバシーを損ないかねないと懸念しています。

しかも上院では、KOSA(子どもオンライン安全法案)を提案してきたBlumenthal議員が下院版を「上院では通らない」と突き返し、上院商業委員会のCruz委員長は7月中に独自審議を行う方針です。可決させた側の中にも「これでは足りない」という声がある、というのが今の状況です。

この法案は米国のものですが、日本でも似たような「年齢確認を強めるべきか」という議論が進んでいます(こども家庭庁の検討状況は7/20の記事で紹介したとおりです)。「確認を厳しくすれば安全になる」という単純な話ではなく、その手段自体が新たな課題を生みうる、という視点が国内の議論を見るときにも役立ちそうです。

お子さんには

「アメリカでは、法律ができたあとも『これで本当に十分か』ってまだ話し合いが続いているみたいだよ」くらいで十分です。

AIとの会話に、専用のルールができる?

「子どもネット安全法案」がプラットフォーム全般の話だったのに対し、「AIとの会話」に絞った動きも出てきました。2026年7月9日、米下院にValerie Foushee議員とGreg Casar議員が超党派で「ピープルファースト・チャットボット法(People-First Chatbot Act)」を提出しました。

事業者に自殺や依存などの害を減らす「安全性重視の設計」を義務付け、未成年の会話ログをAIの学習に使うことを禁止するのが柱です。上院でも近い趣旨の「SAFE KIDS Act」(先ほどのKIDS Actとは別の法案)が同時期に提出されており、下院・上院の両方で動き始めています。

子供がAIチャットボットを「話し相手」のように使う場面は珍しくなくなっています。「何を話したか」がAIの学習に使われるかどうかは、子供自身は意識しにくいところです。使っているアプリでどんな設定になっているか、一度親子で覗いてみるきっかけにできそうです。

お子さんには

「AIと話した内容が、知らないところで別のことに使われたら嫌だよね。それを防ごうっていう法律を考えているところなんだって」


来週も、子供とデジタルにまつわる気になるニュースをお届けします。

さいちん

編集・執筆

二児の父。コンサルティングファーム勤務。「ほしい情報が見つからないなら、自分で調べて発信しよう」と本メディアを始めました。

X(旧Twitter): @saichin_biz

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