「もう寝る時間だよ」「うん、あと1本だけ」。そう言ったきり、気づけば30分、1時間と過ぎている——多くの家庭で見覚えのある光景ではないでしょうか。何度も同じやり取りを繰り返すうちに、つい「いいかげんにして」と声を荒らげてしまうこともあるかもしれません。
どこの家庭にもある「あと1本だけ」
こども家庭庁の「令和6年度青少年のインターネット利用環境実態調査」によれば、次のような結果が出ています。
動画共有サービスの利用率は10代から40代まで90%を超えており、その中でもYouTubeの利用は突出しています。
出典:こども家庭庁「令和6年度青少年のインターネット利用環境実態調査」
子供だけでなく、実は親世代もよく見ているサービスだということです。
だからこそ「見すぎ」を子供の意志の弱さのせいにしてしまいがちですが、実際には設定やルールだけでは解決しきれない部分があります。
子供の目線では
子供にとってYouTubeは、単なる暇つぶしではありません。好きなゲームの実況、興味のある分野の解説、笑える動画——次から次へと自分の関心に合ったものが表示され続ける体験は、テレビの決まった番組表とはまったく違います。「あと1本だけ」が続いてしまうのは、意志が弱いからというより、次を見たくなる仕組みそのものがよくできているからだと言えそうです。子供自身も、途中でやめられないことにモヤモヤを感じている場合も少なくありません。
設定だけでは足りない理由
YouTubeには保護者向けの機能もいくつか用意されています。日本経済新聞(2026年1月)によれば、未成年のショート動画視聴について、視聴時間を0分にも設定できる新機能が導入されました。YouTube公式でも「子どもの安全に関するポリシー」を掲げ、13歳未満向けには保護者が管理する「監督付きアカウント」の設定も案内されています。
ただ、こうした技術的な設定を入れても、それだけで「見すぎ」の悩みがすべて解決するわけではありません。設定を入れても、子供自身がすり抜けてしまうことは起こり得ます。技術だけで完結させるのは難しく、「設定して終わり」にできない構造があるのかもしれません。設定はあくまで土台であり、その上に「どう使うか」を親子で話し合う時間が必要になってくるということのようです。
親に知ってほしいこと
視聴時間の制限機能は、あくまで「見すぎを防ぐための道具」であって、それ単体で子供を納得させる仕組みではありません。制限をかける前に、「なぜこの時間を目安にしているのか」を一緒に確認しておくと、子供にとっても納得感が違ってきます。
子供から伝えたいこと
「本当は自分でもキリがないなって思う時あるよ。でも、面白いのが次々出てくるから、つい」
親子で話してみたいこと
- 今、一番よく見ているYouTubeのジャンルは何だろう?
- 「あと1本だけ」で止まらない時、何かサインを決めておくとしたら?
ちょうどいいところを考えるなら
日本小児科医会は、テレビ・スマホなどを合わせたメディア総接触時間の目安として「2時間以内」を挙げています。これは絶対的な正解というより、一つの参考ラインです。時間そのものを厳密に管理するより、「今日は時間を区切ってみよう」「休日は少し長めでもいいか」といった柔軟な調整の方が、続けやすいという家庭もあるようです。
関連する用語
- スクリーンタイム — 視聴時間の制限に使える端末標準機能。
- ペアレンタルコントロール — YouTubeの「監督付きアカウント」もこの一種。


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