「勉強の邪魔になっているのは分かっているけど、取り上げるのも違う気がする」。スマホと勉強の両立に悩む家庭は多いはずです。韓国では、この悩みに国レベルで向き合う動きが進んでいます。
授業中は原則禁止、あわせて浮上した新しい端末構想
CNN.co.jpやYahoo!ニュース(KOREA WAVE)の報道によれば、韓国では2025年8月、国会が教室内でのスマホ・デジタル機器の使用を制限する改正法案を可決し、2026年3月1日から施行されています。制限の具体的な方法や対象機器の細かい運用は各学校の学則に委ねられていますが、障害のある子供の補助機器利用や教育目的での利用は例外として認められているようです。
背景にあるのは、韓国政府の調査で10代の約4割が「過度依存」の状態にあるとされる実態です。この数字を受けて、CNN.co.jpの報道やYahoo!ニュース(KOREA WAVE)は、通話や学習に必要な機能に限定し、ゲーム・SNS・動画を遮断する「エデュ安心フォン(教育専用スマホ)」の導入を求める声も伝えています。
子供の目線では
授業中にスマホが使えなくなることは、子供にとって「友達との連絡が取れない不安」につながる場合があります。休み時間、グループチャットで話題が進んでいるのを後から追いかける気まずさを感じる子もいるかもしれません。一方で、「授業中は仕方ない」と割り切れる子供がいる一方、自分でもやめどきが分からず困っていた子供にとっては、強制的に距離を置ける仕組みがむしろ「ちゃんと終われる理由」になって助かっている可能性もあります。制限そのものへの受け止め方は、子供によって幅がありそうです。
日本にもある「機能限定」という発想
「エデュ安心フォン」は、日本で言うところの「機能限定スマートフォン・子供向けスマートフォン(キッズケータイなど)」と近い発想です。通話・学習機能を中心に、ゲームやSNSといった依存につながりやすい機能を最初から持たせない、という考え方は、韓国と日本で共通しています。
こうした機能限定端末には、技術面とは別の悩みもあります。まわりの友達がフルスペックのスマホを持っている中で、自分だけ機能が制限された端末を持つことに、気まずさや恥ずかしさを感じる子供もいるはずです。「制限されている」という事実そのものより、「自分だけ違う」と映ることの方が、子供にとっては重く感じられる場合もあるかもしれません。
日本には韓国のような法律による一律の禁止はありませんが、家庭単位で似たような選択はすでに可能です。やり方は大きく2つに分かれます。
ひとつは、今使っているスマホの設定を使う方法です。Googleの「ファミリー リンク」やAppleの「スクリーンタイム」といった標準機能を使えば、ゲームやSNSを使える時間を親子であらかじめ決めておけます。その場で「まだやってるの」ととがめられるより、決めておいた時間で自然に区切りがつくほうが気まずさは少なくて済みますし、追加の費用もかかりません。
もうひとつは、Hamicのように、通話や学習に必要な機能に絞った端末そのものに買い替える方法です。「最初からフルスペックのスマホを持たせる」以外にも、機能を絞る道は一つではないことを、韓国の事例は改めて教えてくれます。
日本の家庭に持ち帰るなら
「授業中は使わない」というルールを一方的に決めるだけでなく、子供自身がどこまで距離を置きたいかを話し合う余地を残しておく——正解が一つに決まる話ではありません。
「自分で『やめとく』って言ったはずなのに、いざとなったらちょっと触りたくなる自分にちょっとイラっとする。かといって、やっぱり無理でしたって言うのも、なんか格好悪い気がして言い出しにくいんだよね」——そんな本音が子供から出てきたら、「制限される」と「制限を選ぶ」の違いについて、一度親子で話してみるいい入口になりそうです。
関連する用語
- 機能限定スマートフォン・子供向けスマートフォン — 通話・学習機能中心の端末という選択肢。


コメント